約 3,257,896 件
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/317.html
「え……?」 一瞬、三人が凍り付いた。 「あ……あ、あの、私としたことが…なんと言えばいいか……」 みゆきも自分の失言に気付き真っ赤になってモジモジとしている。 「えと、その、まぁある意味健康であるってことだし……」 しどろもどろにかがみがあまりフォローになってないフォローを入れる。 「でも意外だねぇ。みゆきさんがオナニーなんて」 「あんた、そんな露骨な表現やめなさいよ」 そう。その失言は暗にみゆきがオナニーをしていることを指し示していた。 「眠れない時につい……お恥ずかしい……」 消え入りそうなみゆきの声。 「みゆきさん、そんな気にすることじゃないからさー。ほら、つかさなんて 毎日してそうなイメージだし」 「なんですとー!?」 いきなり自分に振られてつかさが驚く。 「そ、そんな毎日はしてないよぉ」 「つかさ、それしてること暴露してる。それも毎日とは言わないまでもかなりのペース……」 「はうっ……それはその……」 「そういうあんたはどうなのよ?」 助け船のつもりか、矛先を妹からこなたにうつす。 「私? してるよ? ネトゲで寝落ちしないかぎりは結構」 「うわ。こいつはぬけぬけと……」 「かがみは? この際ぶっちゃけようよー」 「私は……ないよ」 恥ずかしそうに応えるかがみ。実際知識はあるけどそのような行為はしたことはなかった。 「それはだめだよーかがみ。人生の楽しみの72%は損してるね」 「いや、それ割合大きすぎだから」 「これは大問題だね。かがみにオナニーを教えてあげなくては…」 「え? あっ!? ちょっとあんたっ!」 こなたがかがみに襲いかかった。 「あ……」 「まぁ……」 もみあう二人を呆然と見てるつかさとみゆき。二人が見てる中、激しく抵抗するかがみを こなたが余裕でいなしていく。 「ふふふ。よいではないか。よいではないかぁ♪」 「あんたは悪代官か! ちょっそこはシャレに……あっ」 こなたの指がパンツの上からかがみの秘唇に触れる。必要以上に触れたことのない 部分。そこを触られてるという恥ずかしさのせいかかっと瞬時にして体が熱くなる。 くすぐったい感触もあいまって身をよじってのがれようとする。 「ちょっと……やめさいよ……んっ」 しかし、こなたの指は執拗に抗う鏡の秘裂をなぞりつづけた。くすぐったいような痒い ような感触が秘部をじんわりとしめていく。それらの感覚がいつしか熱い感覚にかわっ ていくのにそう時間はかからなかった。 「んっ……あっ……んくっ」 漏れる声に艶が帯びはじめる。 「あっ……だめっ……んんっ」 いつもと明らかに違うかがみの反応。今までにない感覚に戸惑いを隠せないようだ。 「感じてきたんだね……こうなるとかがみもなかなか可愛いなぁ」 「んはっ……うっさい……」 「ぬふふふ。上の口は生意気でも下の口は正直だぞ☆」 どこかの三文ポルノのようなセリフを吐きつつもじんわりと濡れはじめてる秘裂を なぞるようにあとぐる。 「んっ……ひぁっ」 「ふふ。ここがいいんだね。この固くなってるところ」 ぐりぐりとパンツ越しにクリトリスをこねる。 「やぁっ……そこだめ……んはっ」 「お姉ちゃん……」 明らかに感じはじめている姉をもじもじとしながら見つめていた。そんなつかさの肩に みゆきの手が置かれる。 「あ……ゆきちゃん?」 「つかささん、なんだか私も変な気分に……」 みゆきの目がとろんとしているのをみてつかさも同性ながらドキリとしてしまう。 どちらからとなく顔が近づく。 「ちゅ……ちゅむ……」 重なる唇。柔らかい感触を何度も味わうように離しては重ね離しては重ねをくりかえす。 (ゆきちゃんの唇やわかい……それに胸も……) 「あん……」 おしつけられるみゆきの胸に手をのばしてしまう。 「あ、ゆきちゃん、ごめん……つい…」 「いえ、いいんですよ……私もつかささんの……よろしいですか?」 「え? でも私のゆきちゃんみたいに大きくないし……」 「でもやわらかいですし、なによりつかささんのドキドキしてるのが…わかります」 「ん……ゆきちゃん……ちゅ……」 二人で胸をさわりながらお互いの鼓動を感じながら再びキスをくりかえすのだった。 「ほら、見て。つかさとみゆきさんも始めちゃったよ……」 「……つかさ…みゆき……んっ」 茫然としながら二人のキスを見つめる。すでに秘部をいじられてもやがかかったよう な頭の中でそれはとても甘美そうに見えた。 無意識に喉がなってしまう。 「ん? かがみキスしたいの?」 「ち、ちがうわよっ」 見透かされたように感じてあわてて否定する。 「はずかしがらなくていいんだよ♪ かがみ、私たちもチューする?」 「くっ……ここまでしておいて…したいならすればいいじゃない」 恥ずかしそうにそっぽをむく。その仕草がこなたのS心にさらに火をつける結果になる。 「ちがうんだなー。チューだけはお互いの許しがないと出来ないのだよ、かがみん」 「そんなの……」 今までのことだって普通は許しなくしていいものではないのだが、今のかがみには それをつっこむ余裕などなかった。 「さぁかがみはキスしたいの? したくないの?」 「それは……」 視界につかさとみゆきのキスが入りされてるところを自己投影してしまった。 高まるキスされたいという衝動についに言葉が後押しされてしまう。 「キス……した……い」 「むふふ。かわいいよ。かがみ……んーー」 「んっ……ちゅ……」 ようやく現実に体験するキスの感触。唇が舐められ舌が口内に入ってくる。 おずおずと迎え入れて絡める。 「んちゅ……ちゅぷ……ちゅるる……」 流し込まれる唾液もいやな感じはせず、余計に興奮をかき立てていった。 「ん……んぐ……こくん……ん……ちゅぷ」 こなたはキスしながら秘唇をこねあげて布地ににじむかがみの愛液の感触を愉しんでいた。 ぢゅ……。 布地に溢れる感触を指にのこしながら固い芽の部分にそれをぬりたくるようにこねる。 「んふ……ふぁ……あん……」 その度にかがみの口から甘い吐息が漏れた。その感度の良さにこなたの方も 興奮してしまう。 (ちくしょー。かがみんかわいいなぁ。触ってないけど私のもけっこうすごいことに……) 「ぷは……かがみぃ…」 「ふぁ……」 「ねぇかがみ、パンツ脱がせていい?」 「……………」 恥ずかしげにこくんと頷くかがみにツンデレの真髄をみた気がしたこなたであった。 「ん……」 上着を脱がされてみゆきが恥ずかしそうに身もだえる。それにあわせてたわわな 乳房が揺れる。 「ゆきちゃんのおっぱいきれい……」 「そんなに見られるとはずかしいです……」 白い肌を先ほどよりもうっすらと桜色にそめる。指でつつくと。ふにんと揺れて指が しずむ。その感触がつかさ自身の胸にはない感触で思わずくりかえず。 ふに…ふにふに……。 「ん……つかささんたら……んっ……」 やがて指だけでなく手の平をそっとあてると手のひらが埋まるのではないかという くらいの弾力が伝わる。その柔らかさを感じるようにぐにぐにとやさしく揉みはじめた。 (すごい柔らかい……) 「ん……はっ………あん……」 (でも乳首は固くなってる……) 揉みながら指先で固くなってる乳首をさする。 「んんっ…つかささん……」 「ゆきちゃん気持ちいい?」 「はい……とっても……んっ」 それを聞いて少し嬉しくなる。 (もっとゆきちゃん気持ちよくしたいな……そうだ) 顔をゆっくりみゆきの乳首に近づける。 「……ぺろ」 「ひゃぅん」 舌の感触がみゆきにちがう刺激をおくる。つかさはその反応に気をよくして乳首を 舐め倒すように舌でこすりあげる。 「んはっ……あんっ……あっあっ……」 乳首だけでなく乳輪までつかさの唾で濡れていくさまはとても淫靡であった。 (ゆきちゃんのおっぱい私のよだれまみれになっちゃった……なんかエッチ……) さらなる刺激を送ろうと今度ははむと乳首をくわえる。 「あっ……」 (なんだか私赤ちゃんみたい) そう思いながら固くしこったみゆきの乳首を吸いはじめる。その反応は今まで以上に顕著で。 「あぁん! んはっ……つかささんっ……んっ」 名を呼ばれ乳首をくわえながら上目遣いでみゆきの顔を見やる。 (ゆきちゃんの顔すごくエッチになってる……もっと吸っちゃえ) 「ちぅ~……ちゅぱっ……ちゅぱ……」 「あっ……そんな……あぁぁん」 普段見ることどころか想像することもできないみゆきの痴態にいつにない優越感を感じる。 (うふふ。わたしがゆきちゃんを感じさせてるんだ♪ …あれ) 「ぷは……ゆきちゃん?」 体を起こされて不審がるつかさに上気した顔をほころばせながら、 「つかささん、今度は私がつかささんを……」 (え? え? ちょっとまって……もうちょっと…) 普段感じない優越感にひたりたかったが、流されて自分も上着を脱がされてしまう。 「あ……ひゃう!」 みゆきの舌がつかさの乳首に這う。濡れた熱い舌の感触が乳首にここちよく まるで電流でもながれたかのように感じてしまう。 「れろ……りゅぷ……ちぅぅ……」 「んっ……はっ……あん!」 (あ~~ん。きもちいいよぉ) 「れろ…ちゅぷぷ……くにぃ……」 「んはっ! ゆきちゃん! 噛んじゃダメっ」 「あぁ! これはすみません。痛かったですか?」 「……ううん。そうじゃないの……すごく気持ちよくて……」 「まぁ。それならもっと大丈夫ですね……はぷ」 「あぁん!」 (大丈夫じゃないよぉ……おかしくなっちゃうぅ) ところがみゆきの攻撃はそれだけにとどまらなかった。くわえながらさすっていた手が 下に持っていかれる。下腹部あたりをさするみゆきの手におどろく。 「あッ……ゆきちゃん……そこは……んっ」 すでに熱くぬれそぼっていた秘裂を直接触られる。オナニーとは違う他人の指の感触。 (ゆきちゃんの指が私のを……んっ……あっ! はずかしいよぅ) 今まで以上に恥ずかしい感覚が体を熱くさせる。 「あっ……あぁんっ……くはっ……あっあぁん!」 「ちゅぅ……はむ……くにぃ……ちゅぽっ…ん」 くりゅくりゅくりゅ……。 (あっ…乳首…吸われて、クリ……触られてる……恥ずかしい……どっちも固くなってる……) 「ぷは……つかささん、ここどうですか?」 「あの……気持ちいい……です」 「ふふ…私もここが気持ちいいんですよ……一人でするときはいつもここばかりさわってしまいます……」 みゆきの告白にどきどきしてしまう。 (ゆきちゃん一人でするときこんなふうなんだ……) 「わたしもゆきちゃんのさわっていい?」 「ええ……もちろん……」 おずおずとみゆきの秘部へと手をのばした。 (熱い……それに濡れてる……ゆきちゃんのここ……) 「んん……」 「あっ……ふぁっ」 二人でお互いのクリをやさしくさするように時にはつまむように愛撫をくりかえす……。 蜜のようなとろりとした粘液が秘裂があふれ二人の指にまとわりつき淫靡な音を奏でる。 くちゅ……ちゅぷ……ちゅくちゅく……にちゅ…… 「あっ……あんっ……んんっ…ゆきちゃん……」 「つかささん……んんっ……んちゅ……ちゅぷ……」 いつしか再びキスをしはじめていた。先ほどよりもさらに深く味わうようにお互いの唇を 求め合うのであった。 続き コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/maid_kikaku/pages/535.html
(投稿者:エアロ) (画像作成:ふみ様 ありがとうございます) 概要 エントリヒ帝国空軍が1940年に制式採用した全翼爆撃機。開発はシルガイリス社。 当初は、その余裕のあるペイロードにより輸送機として設計されていたが、 Gの脅威が拡大するにつれて同社製Si43のほうが輸送機としての需要があったこともあり、 この機体はペイロードを活かした爆撃機へと改装された。 全翼機ということもあり、デビュー当時その特異な形状は各国空軍の注目を集めた。 大型機ならではのペイロードと、全翼機ならではの軽量化、翼抵抗の低さによる高い巡航速度は高速爆撃を可能にした。 しかし、全翼機という特異な機体構造は生産を容易ならざるものとし、 1940年正式採用にもかかわらず、 後発であるSi387と比べても配備が遅々として進んでいない。 戦場ではFw209やMe110に混じり支援爆撃を行う。 愛称は「シュトゥルムヴォーゲル(ミズナキドリ)」。 なお、本機体の全翼構造は優れた高速性と隠密性を発揮しうる下地として、後に設計者の フォルトナー兄弟自身がノインの飛行翼設計に活用している。 主要諸元: 制式名称 Silgailis Si229 機体種別 戦術爆撃機 機体形式 全翼・引込脚 機体構造 全金属製応力外皮構造 乗員 4名 全長 18m 全幅 48.96m 全高 6.34m 主翼面積 178.2㎡ 発動機 シルガイリス Sil221G 液冷倒立V型12気筒1810馬力×2 プロペラ 可変ピッチ定速3翅 全備重量 22700kg 最高速度 620km/h 航続距離 7800km 実用上昇限度 7800m 武装 胴体部15mm二連機銃×2胴体底部20mm二連動力機関砲×2、本体後部13mm二連旋回機銃×1 爆装 胴体内4000kgまでの各種爆弾 生産機数 約3500機 製作会社 Silgailis AG 設計者 ヴェルナー・フォルトナーライナー・フォルトナー 派生型 Si229V 1938年初飛行の原型機 Si229A Sil218C(1795馬力)を搭載した初期生産型。高速性と安定性不足のため改修された Si229B1 爆装を取り付けた標準生産型 Si229B2 B1型の各部銃座に電影式自動補正照準器を備えた機体。生産済みの機体も改修中 Si229JG Sil357Aジェット・エンジン(10.3 kN (1070 kgf))×2を搭載した機体。動力及び揚力制御がうまくいかず計画中断 こぼれ話 + ... 229はその特異なデザインで設計者のフォルトナー兄弟の名を世界に広めた機体だが、 当機のテストフライトの際彼らは思わず「まさか飛ぶとは思っていなかった・・・」 と言ったことはあまり知られていない。 なぜならフォルトナー兄弟は本機の設計は、趣味の一環として書き溜めていたデザインをそれらしくまとめて次期正式爆撃機開発コンペに郵送したと言われ、 まさか帝国設計局とシルガイリス社が本気で開発に取り組むとは考えもしていなかったのである。 (元ネタ:9様 ありがとうございます。) 関連項目 エントリヒ帝国 シルガイリス 登場作品
https://w.atwiki.jp/walkpedia/pages/68.html
茶柱が立つまでお茶をたて続ける耐久企画。 百人一首や大喜利、川柳当てなどのゲームを行い、ゲームの勝者がお茶を頂く(=茶柱を立てる挑戦権を獲得する) 急須でお茶を入れ、誰よりも早く、茶柱を立てることができた人が勝利となる個人戦であった。 当初の見込みより茶柱が立ったため、途中から多く茶柱をたてた人が勝利することとなった。 12時から5時間以上茶を立て続け、全部で10本以上の茶柱が立った。 耐久戦の中、3本の茶柱を立てた猛者が優勝した。 2013年1月に実施。
https://w.atwiki.jp/hattan/pages/112.html
いつか会う 信じるための 赤い糸 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/touhourowa/pages/318.html
死神による夜想曲◆TDCMnlpzcc 放送直後の人里。 小野塚小町の目の前には八意永琳の死体がある。 彼女がこの死体を見つけたのは偶然ではない。 少し前まで人里に響いていた銃声、戦闘音。 それにつられて向かってみた先で、彼女が見つけたのがこの死体だった。 その顔は、表情は血と髪にまみれてうかがい知ることはできない。 真っ白だった髪は赤く染まり、流れ出た血はそれだけでは収まらず、地面に広くしみこんでいた。 あたりにはひどい血のにおいと、火薬特有の焦げたにおいが漂っていた。 月の頭脳と呼ばれた女は、今では力の抜けた、ただの死体でしかない。 主催者として扱われて、彼女はいったいどのように行動したのだろうか? 彼女は自身の主のために何をしたのだろうか? 長い人生の終わりに、何を思ったのだろうか? 小町には思うことがたくさんあったが、そのすべてを口に出すのは止めておいた。 彼女のことをよく知っているわけではないが、そんなのを死者に聞くのは野暮というものだ。 「あたいがこいつの担当だったなら、話を聞くために三途の川をめいっぱい引き延ばしてやるところだけれど……。今のあたいはむしろ送られる側、まあ、あんたについた死神がましなやつだといいねぇ」 閻魔でさえこんなゲームに放り込まれている今、三途の川がまともに機能しているのかは分からない。 これから幻想郷はどうなっていくのだろう。 膨れ上がる死者に、小町は気をやみながら、それでも真剣に八意永琳の体を扱った。 (頭部の側面に一発。自殺か奇襲かねぇ) まだ人里には古明地さとりもいるはずで、四季映姫を失っても、なお動きを止めるわけにはいけない彼女は、地霊殿の主を保護しようと動いていた。 彼女の護衛対象で残っているのは三人。 八雲紫、古明地さとり、博麗霊夢。 もともと五人いたはずの対象は、たった一つの放送で三人にまで減ってしまった。 八雲紫を除いた面子とはすでに出会えている。 そして、彼ら個人の実力やその場の状況で護衛を行うことをやめていた。 もしかしたらそれが失敗だったのかもしれない。 人数は減るのに、死者は減らない。 その点は構わないのだが、守るべき実力者までこの調子で死なれては、あと半日で詰んでしまう。 小野塚小町は焦り始めていた。 その足がかすかに震えている。 普段の彼女をよく知るものなら、そこまで焦る彼女を珍しいものだと目を見張るだろう。 「横にいる鬼は……さとりといた奴で霊夢が相手していたはずだろ。これは霊夢がここにいたってことかな?」 今までがむしろ余裕過ぎたのかもしれない。 特に、護衛対象が半分を切ってもなお脱落していない状況が、その余裕に拍車をかけていた。 実際、普段の幻想郷で小町が守ろうとしている相手を倒せるものはほとんどいない。 しいて言えば、博麗の巫女で、それ以外はよほどのことがない限り、この殺し合いの参加者では殺せないはずだ。 しかし、それはこの殺し合いの場では関係がない。 現に小町も、武器次第で神さえ殺せることを目の当たりにし、さらに護衛対象の実力者を銃で圧倒することができた。 この制限が課せられた世界。 あのスキマ妖怪なんぞ、ただの知恵が回る……一介の少女でしかないかもしれない。 もっと前から危機感を抱くべきだったのだろう。 たとえば、四季様の姿を捕えたとき、無理にでもついていけばよかった。 回避できたはずのミスが、小町の精神をむしばんでいる。 あの時、こうしておけば。 余計な後悔こそが、次のミスにつながりかねないことが分かっても、止めるのは難しい。 そして、さらに小町の信念を邪魔する雑念もあった。 それは放送中からずっと、静かに彼女の中でくすぶっていた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 放送が始まる直前。 小野塚小町は銭湯を出て、ほとんど当てもなくさまよっていた。 風呂へ入り、あったまった体は急速に冷えてゆく。 もう深夜、あたりはそれなりに冷え込んでいる。 小町に行く当てがないわけではなかった。 一応、目標は先ほどの戦闘を見に行き、何が起こったかを確かめること。 急ぎ足で、素早く歩みを進める。 その表情は硬く、今まで以上に余裕をなくしていた。 自分の身を守るため、あたりの民家に目を凝らし、潜伏者がいないことを確認しつつ、さらに遠くの音へと耳を澄ませる。 空には星が出ていたが、彼女にはそれらを見て、なごむ余裕はない。 もし四季映姫がこの様子を見ていれば、普段の仕事とのギャップに驚き、感心したかもしれない。 まあ、それは二度と起こりえないはずのことなのだが…… 小野塚小町は銃を握り直し、的を探して突き進む。 そんな中、放送が始まった。 放送の内容を、小町は最初過小評価していた。 せいぜい前回より少しばかり多く情報が与えられる程度にしか思っていなかったのだ。 それゆえに、放送の何か所かで彼女は驚きを隠せず、声も漏らした。 (八意永琳は主催者じゃない。まあ、あたいの方針には関係ない) (四季様だけでなくて、西行寺のお姫様までとは……いよいよ余裕がなくなってきたな) (十三人、このペースで死なれちゃ都合が悪いじゃないか) (禁止エリアは三時からE-3、六時からD-2。あんな言い方をするところを見ると、誰か首輪を爆発させたのかねぇ。あたいも気を付けないと) そして、 ――生き残った一人には、僕のできる限りの望みをかなえてあげることを約束する。―― とんでもない宣言までもが、主催者の口から飛び出した。 「え!?どういうことだい?」 小町は驚きで口を開けた。 もしかしたら、もともと権力のある妖怪、生き残り方に信念のある人妖は、そんな約束に興味を持たなかったかもしれない。 しかし、自身が生き残りたいわけではなく、純粋に“願い”をかなえるために頑張っている小町には、もし本当ならありがたい話だった。 いまさらだが、小町の方針は幻想郷の賢者、実力者を守り、幻想郷を守るのが目的だ。 つまり…… (最悪、あたいが閻魔の力を得て、幻想郷を守ることができるってことかい。これは喜ぶべきことかねぇ) 幻想郷でも周知の事実となっている通り、小野塚小町には野心が少ない。 せっせとまじめに働いている死神たちとは、比べ物にならないだろう。 彼女がここまで不真面目なのは、仕事が嫌いだからではなく、今の仕事に満足してきたからである。 満足してしまえば、人間も死神も多くは求めない。 小町にとって必要だったのは今までどおりに仕事を続けることだった。 (無理無理、あたいには閻魔様なんか勤まらない) ふと湧き出てきた、あまりにも破たんした発想に、小町は頭を横にふった。 まず、主催者が約束を守る律義者とは限らない。 使うだけ使って、ぽい、と捨てられるのが落ちかもしれない。 (それに、あの映姫様を見ていたら、やる気なんておきないよ) 毎日、これでもかという数の死者をさばく閻魔。 その難しい采配と選抜の厳しさゆえに、数は少なく、不足している。 (あたいは四季様にはなれない) そう、そしてその四季映姫は死んでしまった。 ついさっき見た、少し脱力した、死体特有の緩んだ笑顔を浮かべた生首が脳裏に浮かびあがる。 小町は思い出した映像を忘れようと、頭を抱えた。 しかし、すぐに無防備な自分に気付いて飛び起きる。 「こんなんじゃ、今まで殺した皆に面目が立たないねぇ。やっぱり、もう少しがんばらないといけないな」 普段のように軽くつぶやき、思考を違う方へ持っていく。 夜風に当たって頭を冷やす必要を感じ、小町は視線を周囲に向けつつ立ち止まった。 無意識に遠くを眺めていた小町は、そこで二人分の死体を見つける。 そして、それが最初につながった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― もしも自分が生き残れたら、次の閻魔を何年も待たず、幻想郷も安定させられるかもしれない。 突飛で、めちゃくちゃな考えだが、論理的にはなんら問題はない。 それゆえに、それは小町の心に影を落とす。 (あたいにそんな大役が務まるわけない。やめやめ、そんなことを考えても無駄だよ!) 張りすぎた緊張は、その程度を弱めようと打開策を提示してくる。 自身が優勝して幻想郷を治める。自信も根拠もない計画だ。 しかし、小町は最後の手段として頭の中に収めた。 それがこれからどう出るのかはわからない。 (今はなにがなんでも護衛対象を守らないといけないな) 死体を前に、考える。 (とりあえず、積極的に護衛する方針に変えないと。気が付いたら全滅、なんてことになったらお笑い草だからねぇ) そうと決まればいくつか取りうる選択肢がある。 その中で最も効率がいいのは、近くの誰かに接触して、護衛対象なら守り、違ったなら殺すというもの。 要は、今までどおりにやればいい。 ただ、ちょっとばかし必死に動く必要がある。 「自分の身はあまり気にしないぐらいに動いた方がよさそうだねぇ」 最後の言葉は誰ともなしにつぶやいた。 答える声はないが、自身の決意は固まった。 小野塚小町はしばし立ち止まっていたが、すっと顔を遠くに向けると、死体に踵を返して歩き去る。 その足には迷いはなく。 その視線の先には、光を放つ寺小屋があった。 【D-4 人里の外れ 二日目・深夜】 【小野塚小町】 [状態]万全 [装備]トンプソンM1A1改(41/50) [道具]支給品一式、64式小銃用弾倉×2 、M1A1用ドラムマガジン×5、 銃器カスタムセット [基本行動方針]生き残るべきでない人妖を排除する。脱出は頭の片隅に考える程度 [思考・状況] 1.生き残るべきでない人妖を排除し、生き残るべき人妖を保護する 2.遠くの寺小屋が光ったので、様子を見に行く 3.再会できたら霊夢と共に行動。重要度は高いが、絶対守るべき存在でもない 4.最後の手段として、主催者の褒美も利用する 171 死霊の夜桜が散るころに 時系列順 174 正直者の死(前編) 171 死霊の夜桜が散るころに 投下順 173 All things are accepted there.Even if it is inconsistency. 164 彼岸忌紅 ~Riverside Excruciating Crimson 小野塚小町 174 正直者の死(前編)
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2180.html
「あ…」 手が触れた。 それは真新しい布の箱だった。 押入の深くに、光もホコリもかぶる事なく、そこにあった。 その模様が目に飛び込んだ矢先、頬は自然と緩み、次には目が熱くなる予兆を感じた。 私は一呼吸おいて、それに手をかけた。 フタカタ ~ Lucky Star 休日の昼間。 折角の休日を有効活用する気はなく、学生時代のような付き合いもない私は、 24時間が退屈となったその日を、およそ3年ぶりの大掃除に費やす事にした。 家は途方もなく広い。 しかし、今となってはその半分が物置部屋みたいなものだ。 私が大学に進学してから、姉達は一年も経たずに家を離れた。 私の半身であるつかさも、大学進学と同時に家を出た。 今は私と両親しかここには住んでいない。 あれほど賑やかで、時折騒がしいと感じたこの家も、今では見違えるほどにおとなしくなった。 箱は、ずっしりとした重量感に満ちていた。 押入から出そうとすると、手が震えてしまうほどに、 それは私の心にもずっしりとのしかかっていた。 光の元に出すと、かぶっていたホコリが日光に照らし出されうっすらと宙を舞った。 蓋に手をかける。 それた指先から、胸に痛みが伝わり、それが全身にじわじわと広がっていくのがわかる。 また、泣きそうになる。 「ほおら、お姉ちゃん起きて」 「ん、え…」 「えへ、今日は私の方が早起きだね」 「ん……毎日そうだと私も楽なんだけどなぁ」 「それは無理だよぉ、明日はお姉ちゃんが起こしてね」 私達は何をするにも一緒だった。 特に小学校にあがってからは、私とつかさが別々に暮らした日は数える程しかない。 周りに性格は似てないと言われるけど、もっと本質的に、私達はちゃっかり双子なのだ。 一緒に遊んで、一緒に勉強して、一緒に寝て。 彩りのある小学校生活を終えて、思春期を抱えた中学校生活が過ぎて、 その中でも、私達は一度も離れようとはしなかった。 つかさが私を求めて、私もつかさの事を強く求めていて、 それに気付いたのは随分後の事だけど。 きっとこれから先も、私達はずっと双子で、ずっと同じ生活の中で暮らして行くのだと、そう信じていた。 「つかさー来たわよー」 「わーい、お姉ちゃんだ~」 「お?噂のお姉さまのご登場ですね?」 「ん、友達出来たんだ、私姉のかがみ、ってもう知ってるみたいね」 「私泉こなた、こなたでいいよーかがみん」 高校生になってから、私達の生活は大きく変わった。 恐らく生涯忘れる事のないであろう私の親友達のおかげだ。 そいつらは二人だけだった生活に、私がどれだけ虚勢を張っても、躊躇無く土足で上がり込んできた。 でも、それは感謝すべき事だ。 私達の高校生活は人生の中で最高に輝いていて、きっとこれから先何があっても、 その時の事を思い出せば乗り切れてしまうような。 私にとってかけがえのない思い出だった。 かけがえのない親友達だった。 どこまでも破天荒な泉こなたを中心に、色々と厄介ごとに巻き込まれる私達は、 そんな中でもやっぱり双子をしていて。 それでも、つかさが少しずつ姉離れをして行こうと努力をしていたのを、私は知っている。 私はそれがとても嬉しくもあり、とても悲しくもあった。 つかさが目標にしているのは私だったから、姉として、一人の人間として、何よりも誇れる事だと思った。 でも、心のどこかでは、やはりいつまでもつかさに甘えて欲しいと、そう願っている自分がいた。 今思えば、甘えていたのは私の方だったのだろう。 「えへへ、明日こなちゃんとプール行くんだ~」 「ふーん…怪我しないようにしなさいよ」 「うん~えへ、今夜寝れるかなぁ~えへへへ」 二人の会話には泉こなたの話題が増えていた。 つかさがこなたの事を気に入っているのは、誰から見てもすぐにわかるほどで、 姉の私は、それがただの友情でない事くらい、すぐにわかっていた。 つかさの部屋には、私ではなくこなたの思い出が飾られるようになった。 つかさの隣には、私ではなくこなたの居場所が用意されるようになった。 それでもやはり私達は双子で、もう片方の手には私の居場所があった。 それがとても嬉しくて、そして自分が情けなかった。 私は姉として、つかさの背を押してやろうと思った。 そしてそれを最後に、私も妹離れをしようと、そのケジメの為にも、そう誓った。 3年目の高校生活。 桜のつぼみはその桜前線の歩みを見せて、 吹き抜ける風にはほのかに春の香りが漂い始めた、そんな春の初めに。 つかさとこなたは交際を始めた。 あの時の事は今でも鮮明に思い出せる。 雪が降る夜、電車が止まった夜に、二人は何時間もかけて、やっと出会えたという。 どこまでも非現実で、漫画的な展開は、きっと二人に用意されたものなんだなと、そう思い。 そして私はもう、役目を終えたのだなと、どこまでも現実的な事実に、強く思い知らされた。 それからのつかさは見違える程に自立していった。 恋というものはここまで人を変えてしまうものなのか。 体験した事のない私には未知の領域だった。 つかさの生活から、私の居場所が消えていく。 とても自然な事なのに、喜ばしい事なのに、ただ悲しかった。 つかさが姉離れをする度に、私の生活は色彩を失ったように、 今までどこの高校生よりも充実した生活を送っていたと自信を持っていたそれが、 本当にありふれた、つまらない物に変わっていった。 せめてもの救いは、つかさの寝坊癖が治らなかった事だ。 朝、つかさを起こす時だけが、私の唯一の救いになっていた。 それからは、驚くくらいにあっという間で。 気付けば私達は大学生になっていた。 みゆきは東京の大学に、つかさとこなたもそれぞれ別の専門学校へ進学した。 私も無事大学生になれたけど、4人グループは見事にばらばらの学校で、 私達はたまに会う程度の付き合いになっていた。 つかさは、進学と共に家を出た。 一人暮らしではなく、こなたとの二人暮らしだ。 小さなアパートの一室で、アルバイトをしながら暮らすと言っていた。 物わかりの良すぎる両親は止める事もなく、むしろ二人なら安心だ、と。 あっさりと承諾し、つかさは晴れて愛する者の元へと巣立ったのだ。 つかさが家を出てから、私の生活に変化などなかった。 元々姉離れが進んでいて、双子らしい付き合いも減っていたから、今更という感想だった。 大学での勉学は充実していて、私はそこに何かを求めるように、意味を求めるように、 ひたすらに、がむしゃらに勉強をして。 資格を取る事に夢中になって。 そして目指していた職種の企業からの内定をもらう頃には、私は気の抜けた炭酸のように、 つまらない人間になっていた。 親友とのたまの交流も、忙しい日々の中で減っていき、 私はすっかり一人になっていた。 気付くのが、遅かったと思う。 私は、こんなにも、つかさを求めていたんだ。 真剣で、切実で、呆れるくらい女々しく。 私はつかさを求めていた。 聞き飽きた目覚まし時計。 たまに早起きした時のつかさが作った朝食。 通学路で後ろを付いてくる足音。 忘れ物をしたと教室に飛び込んでくる泣き顔。 お昼休みに私を迎えてくれる笑顔。 放課後に私を待っている時の仕草。 私を待たせまいと支度を急ぐ姿。 寄り道のコンビニでアイスを迷う真剣な顔。 勉強を教えて貰う時の申し訳なさそうな顔も。 全てが私には足りなくて、その全てを私は求めていて。 私の生活にはそれらが欠けていたと気付いた時には。 朝の家で。 通学路で。 バスから見える景色で。 車窓から見えるビルの窓で。 生活の至るところで、いるはずのないつかさの姿を探していた。 箱にかけた手を、そっと離す。 痛いくらい力を込めたら、こみ上げる涙は我慢出来そうな気がした。 今でもつかさの事は好きだ。姉として、家族として。 会いたくないなんて、嘘でも思いたくない。 それくらい私の想いは強い。 これは後かたづけなんだ。 そう言い返せる。 次は私が妹離れをする番。 あの高校生活で、つかさが何年も苦労してやっと出来た姉離れを。 今度は私が、妹離れをしなきゃいけないんだ。 それが、私達双子の最後の後かたづけ。 姉として、つかさにしてあげられる最後の愛情だ。 私は、その箱を、つかさが残していった思い出達を、押入深くにそっとしまった。 フタカタ ~ Lucky Star おわり コメントフォーム 名前 コメント 目から変な汁が… -- 名無しさん (2008-06-30 19 54 21) 涙が…… -- 名無しさん (2008-06-30 19 30 42)
https://w.atwiki.jp/83452/pages/6084.html
スタスタ ピタッ 澪(律の家の前まで来た ボタンを押せ、私) ピンポーン ガチャッ 律ママ「はいー」 澪「秋山です」 律ママ「あ、ちょっと待ってね 律ー!澪ちゃんが迎えに来たぞ!早くしろぃ」 ガチャッ 澪「はは」 澪(ううぅ)ドキドキ ダッダッダッダ ガッチャン 律「いってきまーす!」ドタバタ 律ママ「いってらっしゃい」ヤレヤレ 律「お!みーお!おはよーっす!」ビシッ 澪「あ、ああ… おはよう」 律「週のはじめだってのに元気ないぞー!」 律「って昨日また体調崩してたんだっけか、ごめんごめん」 澪「もう大丈夫だからさ…はは」 律「そうかー?まだちょっと辛そうに見えるけど?」 澪「っ!」ドキッ 澪(やっ、やっぱり態度に出ちゃってるのか!?) 律「まあ病み上がりにゃきついかもしれないけど急ごうぜ?このままじゃ遅刻しちまう」ダッ 澪「遅くなった原因はお前だろ」ダッ ダッダッ タッタッ ピタ 律「ほら、やっぱり元気ないじゃんかー」 澪「何言って… 私はこの通り元気だぞー」タッタッタ 律「やっぱりなんか変だよ澪 遅刻してもいいからゆっくり行こうぜ」 澪「だ、大丈夫だって 急ごう」タッ 律(おかしいよな、絶対 なんでそんな頑なに突っ張ってるんだよ澪)ダッダッ 澪(無理だ無理だ無理だ 私にはできないっ!)タッタッ 澪(律は私に比べて元気だな 彼氏と映画デート行ったんだもんな) 澪(そりゃ元気もみなぎるってもん…) 澪(ハッ!また私は… 何なんだよ私はぁっ!!!) ダッダッダッダッ ガラガラッ 律「セーッフ!!」ズザー 澪「間に合った」ハアハア 唯「まるで私みたいだね~」 律「なにぃっ!唯隊員に負けただとっ!」 唯「へっへ~ん!残念だったな、りっちゃん隊員!私は新・スーパーパワフル唯に生まれ変わったのだよ!」エッヘン 律「なんじゃそりゃ」 和「唯が今日早かったのは私が借りてたCD返すついでに一緒に来たからでしょ」 唯「えへへ~ まあそうとも言う~」 律「そのまんまだろっ!」ビシッ 唯「とにかく!今日は私の勝ちだよりっちゃん!」 律「勝ちって何の勝ち負けだっつの」 紬「私も遅刻してみたくなったわ~」 律「おいおい紬さん」 スタスタ 和「あら澪、おはよう」 澪「お、おはよう…」 紬「澪ちゃん、おはよ~」 澪「おはよぅ…」 紬「!(あれ?また元気ない?)」 紬「どうしたのかしら…」オロ カツカツカツカツ 紬「み…」 和「あら、そろそろ先生くる時間よ 澪、教室に戻りましょう」 澪「そうだな」 ガラガラッ タッタッタッタ カラカラッ 律「もうそんな時間か 今日はギリギリだったからなー」 ガラガラッ 起立!礼!着席! 紬(タイミング逃しちゃった~)ションボリ キーンコーンカーンコーン 律「飯だー!」 唯「ご飯だー!!」 紬「昼食だ~!!!」 律「お前直前まで寝てたのにお昼になった途端これかよー」 唯「ご飯は元気の源ですよ、りっちゃん!」フンス 紬「さあ、食べましょ~ そういえば澪ちゃんと和ちゃんは?」 律「さっきメールで、自分のクラスで食べるってさ」 紬「そう…」 紬(となると話せるのは放課後になっちゃうわね) キーンコーンカーンコーン 唯「授業終わったー!」ガバッ 律「うおっ チャイム鳴った途端に起きたな」 唯「へへ~、まあね~」テレテレ 律「褒めてねーよっ!よく放課後も寝っぱなしの時あるのにな」 唯「いやあ、土日挟んだからはやくみんなで合わせたくて」 律「おお~、言ってくれますなあ~」ホレホレ 律(やっぱこうやってた方が今の私には合ってるんだろうな!) 紬「…(澪ちゃんどうしたのかしら)」 律「ん?どしたのムギ 行かないのか?」 紬「待って!行く行くー」タッ タッタッタッタッタッタ ギイー ガッチャン 梓「あっ、先輩方」 唯「あずにゃ~ん」ピョーン ダキッ 梓「ちょ、唯先輩!話してください!」モゾモゾ 唯「えへへ~」スリスリ 律「唯は相変わらずだなー」 紬(澪ちゃんまだ来てない…)キョロキョロ ガチャッ 紬「!」バッ 澪「お、おっす」 紬「おっす!」ビシッ 律「おーっす!!」 唯「澪ちゃんきた~」 梓「澪先輩も来て全員揃ったわけですし、早く練習始めましょうよ!」 唯「その前にお茶だよ~」 律「オイオイ、みんなで合わせたいとか言ってたのはどこの誰ですかー?」 唯「ティータイムは元気の源ですよ、りっちゃん!」フンス 律「ハイハイ でも私もお茶にはさんせーい!ムギよろしくー」 紬「がってん!」 梓「もう先輩~!」チラ 澪「…」 梓「澪先輩?」 澪「えっ、なっ何だ?」アセッ 梓「何時もみたいに練習が先だーって言わないんですか?」 澪「あっ、いや、たまにはいいんじゃないかな」 梓「そんな~、澪先輩まで~」ダバー 紬(澪ちゃんやっぱり様子がおかしいわ) カチャカチャ 紬「は~い できました~」 コトッ コトッ コトッ コトッ コトッ 唯「ありがとうムギちゃん!」 律「サンキュー!」 梓「し、仕方無いですね!ありがとうございます!」パアッ 澪「ん、ありがとう」 律「なんだなんだ梓ー お前めちゃくちゃ嬉しそうじゃんかよー」 梓「そっそりゃっ ムギ先輩の淹れてくれたティーとお菓子はおいしいですから!」 唯「元気の源だよね~ 1日がんばろう!って思えるよ~」 律「もう今日もあとちょっとで終わりだけどな」 紬「えへへへ~ おいしいって言ってもらえてうれしいわ~」 澪(…)ボーッ 紬(澪ちゃん?)チラッ 唯「あ!そういえばさ~りっちゃんさ」 律「あー?何だー?」 唯「彼とはどうなったの~?」 律「ブーッ!」 澪「っ!!」ドキンッ 梓「そうですよ!気になります!!」グイグイッ 唯「あずにゃん、食いつきすぎだよ…」 唯「でさ、彼とはどうなったの~?」 梓「彼氏と何か進展はありましたか?」キラキラ 律「いやー、そのー はっ、早く練習始めようぜ!」アセッ 澪「…」プルプル 紬(彼氏の話が出てから澪ちゃんの様子が明らかにおかしいわ!) 紬(やっぱり澪ちゃん… まだ引きずって!?) 梓「あー!今律先輩誤魔化しましたね?何かあったんですか!?何かあったんですね!!」キラキラッ 唯「何?りっちゃんどうしたの~?もしかして私たちとは遠くかけ離れた所まで!?」 律「や、やめろってば」 澪「…」プルプルプル 紬(ゆ、唯ちゃん!梓ちゃん!)ハラハラ 唯「うわ~んあずにゃ~ん!りっちゃんが私たちを置いて何処か行っちゃうよお!!」ダキッ 梓「律先輩!どうなんですか!?」フンスッ 律「いい加減にしろって!」 バンッ!!! ※澪 唯「えっ?」ビクッ 梓「きゃっ!」ビクビクッ 律「ふぇっ!?」バッ 紬(澪ちゃん!!)アウアウ 澪「あ… あ…」 唯「み、澪ちゃん?」 梓「澪先輩どうかしたんですか?」 律「み、澪しゃん?」 紬「澪ちゃん(彼の話で爆発しちゃったの?)」オロオロ 澪「なっ、何だよさっきから彼氏彼氏って!」 律「だっ、だからそれは!(別れた、しかも私が振ったなんて言いづらいだろうが)」 澪「何がだよ!なんで隠したんだよ!そんなに私に知られるのが嫌なのかよ!!」グスッ 律「は!?何の事だよ?(何だ?澪は何を言ってるんだ)」 唯「あわわ」 梓「み、澪先輩?」 紬「み、澪ちゃん!!」 澪「私にはっ!野暮用だなんて言ってさ!私はふーん程度にしか思ってなかったのに!!」グスッ 澪(ダメだ!) 律「ななっ!」 澪「お前はそれなのにっ、彼氏と2人で映画館に映画観に行ってさ!」グジュッ 澪(止まれ、止まれ、止まれ、止まれ!!) 澪「また私に隠し事してっ!2人で仲良く楽しそうに!!」ググッ 澪(別に律が悪いわけじゃない デートなんて誰だって付き合ったらするしわざわざ人に自慢するもんでもない) 澪「私にそんなに知られたくなかったのかよ!秘密にしたいのかよ!!」グスウッ 澪(いってる事がおかしい!間違ってるのは私なんだよ!!) 律「み、澪 もしかしてあの途中で出て行ったのは── まさか──」 澪「そうだよっ!私もあの映画館に行ってたんだ!!そしたらお前が来たんだ、私に内緒で彼氏と!!」 律「ち、違うんだよ澪!あれは、お前に隠してたのは」 澪「知らないっ!馬鹿馬鹿!!馬鹿律!!!」ズダッ バタンッ ダッダッダッダッダッ 律「澪っ!!」 紬「澪ちゃんっ!!」ダッ 紬「…!」キッ 紬「りっちゃん、どういう事なの?説明して!」 唯「はわわ」 梓「 」ポカーン 紬「とにかく!すぐ澪ちゃんを追わなきゃいけないから手短に!」 律「あ、ああ 土曜日に澪から連絡があったんだよ、出掛けないかって」 唯「それ私も来たよ、両親が帰ってきたから行けなかったけど…」 梓「私も来ました!私も家族で予定があったので断りましたが…」 紬「私も来たわ…」 律「でさ、まさかこれから別れる予定の彼氏とデート行くなんて言えないだろ?」 律「だから野暮用って濁しちゃったんだよ それが結果的にこんな事になっちまうだなんて」 紬(つまり 私が澪ちゃんの誘いを断ってなければ!!一緒に行けてたならまだ違ったかもしれないのに!!)バンッ 唯「ム、ムギちゃんまで」ドキドキ 律「っ!ホントに悪かったと思ってるよ 私があんな事言わず素直に打ち明けてたら」 律「そうだよ、彼氏と別れるなんて重大な話、まず初めに澪に相談するべきだったんだ!」 梓「律先輩…」 紬「そうね、でも怒りを覚えてるのはりっちゃんにじゃないの 私自身よ」 紬「私が断らなければ、一緒に行けてたら!!」 唯「ムギちゃんのせいじゃないよ…」 紬「澪ちゃんを追うわ!」ダッ ダッダッ ピタ クル 紬「? りっちゃんもはやくっ!」 律「ムギ」 紬「何、りっちゃん!?」 律「私はさ、こんなだし、ガサツだし、大雑把で、適当でさ」 律「澪の事、何も気づいてやれなかった」 律「数日前からおかしいなとは気がついてたんだけどな…」 律「それが全部私のせいだったんだ ホント親友失格だよな」ハハハ 紬「りっちゃん…」 律「ムギ、今の私が行ってもダメだ 私なんかに追いかける資格なんて無い」ギリッ 律「だからさ…」 律「澪を頼む!!」 紬「っ!!がってん!!」スタッ バタンッ タッタッタッタッタッ 唯「わ、私たちも行こう、あずにゃん!」タッ 梓「は、はい!」タタッ バタンッ タッタッタッタッタッ 律「…」 タッタッタッタッ 唯「はあ、はあ ムギちゃん速いよ」ゼーハー 梓「みっ、見失っちゃいましたね」ハアッハアッ 唯「澪ちゃんっ 一体何処に行ったのぉ?」 梓「とにかく校内を手当たりしだい探してみましょう!」 唯「う、うん!」 タッタッタッタッ スタタタタタッ 紬(私は澪ちゃんの力になるって決めた) 紬(それなのにこんな事になってしまったわ!) 紬(これは私の責任でもある!!) 紬(澪ちゃん、何処へ行ったの!?) スタタタタタッ ガラガラッ 紬「澪ちゃんの教室、にはいない」 ガラッ ピシャッ タッタッタ ガラガラッ 紬「私たちの教室、にもいない」 ガラッ ピシャッ 紬(となるとやっぱり…)タタタッ スタタタタタッ 紬(あと残されてるのは!そう、私たちの思い出の1ページ!) 紬(講堂よっ!!)グッ バターン! 紬(はあ、はあ) コッ コッ コッ コッ 紬「澪ちゃん」 コッ コッ コッ コッ 紬「私よ 今回の件ね、りっちゃんに悪気があったわけじゃないの」 コッ コッ コッ コッ 紬「ねえ澪ちゃん、顔を上げて?」 コッ 澪「う゛っ うぐっ む、むぎいいぃぃ!」バッ ダキッ 8
https://w.atwiki.jp/83452/pages/6760.html
学校に着いた私は車を停め、職員室に向かった ガラガラガラ 「こんにちはー」 とは言っても今はお盆休み 職員室にはあまり先生方はいなかった 「あー!澪ちゃ…」 「ゴホン」 「こんにちは、秋山先生」ニコッ 澪「そろそろ慣れてくださいよ、山中先生」 さわ子「にしても今日は暑いわねー」 澪「本当ですね」 さわ子「今日は?」 澪「ああ、えーと部活動があって…」 さわ子「"あんな部活"に入って、やっと私の大変さがわかってきたんじゃない?」 澪「"あんな部活"とか言って、先生だってたまに部活に行ってるそうじゃないですか。顧問でもないのに」 さわ子「忘れられないのよ」 澪「?」 さわ子「あの紅茶の味が」 澪「私はとっくに忘れちゃいましたよ」 さわ子「そう。でも今もまだやってくれてるじゃない、お茶会」 澪「いやな伝統ですよ。ろくに練習してくれませんし」 さわ子「あなた達も一緒だったでしょ?」 澪「……まあ」 澪「ってヤバい!時間だ!」 澪「では山中先生」 タッタッタ さわ子「あらあら……すっかり先生らしくなっちゃって」 さわ子(きっとあの時の私も今の澪ちゃんみたいだったのよね…) さわ子「……フフ」 さわ子「軽音……ね」 澪「遅刻だ遅刻ー!」 澪「………!」 と、その時階段の前でふと私は歩みを止めた そう、一瞬あの頃に戻ったような気がしたからだ 大人になってから昔修学旅行で行った場所やよく皆で遊んだ場所にあの懐かしさを求めて出かけてみてもどうもしっくりこないのだが、今はどこか違った そんな思いを抱きながら再びまた私は歩き始めた そして思い出す あの夏の終わりに起こった出来事を ――――2010年8月30日 唯「終業式に戻りたい」 澪「戻ってどうするんだ?」 唯「また夏休みやり直す」 澪「でもいつかまたこの日が来るぞ?」 唯「そ、そしたらまたやり直す!」 澪「そんなの無理なんだからさー受け入れて宿題終わらせたら?」 唯「い、良いもん憂に手伝ってもらうから」 澪「自分でやれ!」 唯「ひどい……ねぇりっちゃんもなんか言ってよー」 律「………」 唯「……りっちゃん?」 律「…へっ?あ、ああそうだ!自力でやっても一向に終わらん!誰かに手伝ってもらうべきだ!」 澪「お前誰に手伝ってもらうんだ?」 律「う……それは」 律「ねー、みーおー手伝ってよー!」 澪「いやだ」 律「けちー!悪魔ー!」 澪「……ったく」 澪「ムギは終わったんだよな?」 紬「もちろんよ。旅行行く前には終わってたわ」 唯・律(これが私達との差か) 澪「…でももう夏休みも終わりか」 唯「いやだな」 紬「私ももうちょっと欲しいわ」 律「………」 澪「律、お前そんなに夏休みが終わるのが辛いのか?」 律「……そ、そんなわけないだろ~!私もう大人だからさー……あはは」 確かにその時私はふと律の異変に気がついていたのだが、私が干渉するまでもないと思い何もしなかった ただもしかするとこの時何か行動を移せば事態はあれほど酷くはならなかったのかもしれない ―――8月30日19 00 私の家に電話が入った 澪母「ちょっと澪ー?りっちゃん知らないかーだって」 澪「律がどうしたって?」 澪母「それがね、まだ家に帰ってないんだって」 澪「あいつのことだからその辺ほっつき歩いてるんじゃないかな」 澪母「ほら、昨日起きた"あの事件"の犯人、まだ捕まってないんでしょ?」 澪「"あの事件"………?」 澪母「ほら、例の通り魔よ」 澪「あれってまだ捕まってないの?ていうかあれって隣街で起きたんじゃないの?」 澪母「そうなんだけど、噂じゃもう何人も殺してるらしいわよ?」 澪「じゃあちょっとその辺見てくるよ」 澪母「危ないわよ」 澪「大丈夫大丈夫」 通り魔と言っても「誰かが死んだ」という事実はその時はまだなかった 実際「人を殺した」のはあくまで噂であって、その日の前日に起きた事件も被害者の女性は死には陥らなかった ただ私は律のことが心配でならなかった ―――もしかしたら。 ふとそれを考えただけで私は寒気がしていつもの私ならそこから逃げていたがその時はもうただただ一心不乱になっていた 澪「とりあえず皆にも聞いてみよう」 私は携帯の一斉送信の機能を使ってみんなに連絡を入れた みんなというのはもちろん軽音部を含めクラスメイト達だった ただ律を捜すと言っても正確な場所はわからない 律は電話にも出ないしメールにも返信がない それも含め私は不安で心が押し潰されそうになった そして憂ちゃんの提案で私達軽音部の面々は唯の家に集まった 紬「まだ見つからないの?」 梓「そうみたいです…」 澪「ったくあのバカ」 唯「でも本当にどこ行っちゃったんだろ…」 憂「律さんが良く行く場所ってどこかわからないんですか?」 澪「よく行く場所……かあ」 アナウンサー「昨夜遅くに女性が何者かに傷つけられた事件で未だに犯人が逃走中です。近隣にお住みの方はくれぐれもご注意ください。」 梓「本当に……何もないといいですね」 澪(律……) 私は音楽室の前に来た この扉の中には私達の三年間の思い出が詰まっている それはもちろん楽しい思い出も辛い思い出も 思い出すとちょっと涙が出そうになる なあ、あの頃の私 私は今輝けているか? そんな思いを嘲笑うかのように音楽室の中からは女の子らしくはない声が聴こえてきた 澪「…その通りかもな」 私は微笑を浮かべその思い出の詰まった部屋の扉をノックした ――――23 00 澪「……そうですか」ピッ 唯「どう?」 澪「…まだ帰ってきてないってさ」 梓「……警察にはもう連絡を?」 澪「一応したらしい…ただ例の事件が取り込んでるからちゃんと手が回るかわからないらしい」 紬「澪ちゃん…元気出して?」 憂「そ、そうですよ!」 澪「こんな時に元気が出るかよ…」 律『なー、澪』 澪『ん?』 律『この夏さー、ちょっと行きたい場所あんだよねー』 澪『ほう、楽器店か?』 律『違う違う!ここだよここ!』 澪『山……?なんでまた』 律『まー行けばわかるからさー!ね、お願い!』 澪『覚えてたらな』 澪「!」 そんな何気ない会話をふと思い出し私はすぐさま立ち上がった 澪(確かにあの山はそんな遠くじゃない) 澪(まさかあいつ私が約束を忘れたから一人で…?) 梓「どうしたんですか?澪先輩」 澪「ちょっと出かけてくる!」 憂「危ないですよ!もう夜も遅いしそれに……」 澪「あいつが…待ってるから」 澪「それにさ、後悔したくないんだ」 澪「だってほら律と私は」 ―――無二の親友。 親友が困っていたら助けるのが当たり前だ とは言ってもどうしてあの時の私は歩みを止めることなく何にも恐れることはなく前に進めたのか今となってはわからない 私の背中を押してくれたのは律に対する不安や、心配ではなく紛れもない律自身だったんじゃないかと私は思っている その後私は唯の家を飛び出しその"約束の場所"へと向かった ―――8月31日24 00 もうすでに真っ暗で辺りに人影は見えない まさかこんな形で夏休みの最終日を迎えることになるなんて私は思ってもいなかった 澪「はぁはぁ……この辺りか……?」 山と一概に言ってもそんなに小さな山じゃなく、一体全体どこを見ればいいのかなんて見当もつかなかったがその時の私はもう止まらなかった 澪「!」 その時人が山から降りてきた 手には望遠鏡 はっと私は気が付いた 澪「すいません」 「ん?どうした?」 澪「この山の星空が見えるスポットってどうやって行けますか?」 「これを上に上がってくだけだよ」 澪「ありがとうございます!」 「でもなんでこんな日に?」 澪「え?」 私は空を見上げた 澪「うそ…」 確かに星空を観察できるような天気では無かった 「言っておくけど星なんて見えないよ」 澪「そうですか…」 「そういや変なお嬢ちゃんがいたな……あいつも『星を見に来た』なんて言ってたから早く帰るよう言ったんだけど」 澪「律だ!」 タッタッタ 「ちょっとあんた!」 澪「ありがとうございました!」 「変な人だ…」 私はその後あの場所を目指して一心不乱に山を登っていった やはり今日は曇りだから人が全くいない 澪「はぁ……着いた」 天気が良ければ賑わうであろうその場所に一人ぽつんと仰向けに寝転ぶ人がいた 澪「……律?」 律「来てくれるって信じてた」 澪「お前どれだけみんなが心配してるか―――、 澪「律?」 律「……ぅ…ヒグッ」ポロポロ 澪「どうした?」 律「みーおー!」ギュッ 突然律が泣き出し私に抱きついてきたため私はどうしていいかわからなかった 律「いやだよー!みんなとずっと一緒にいたいよー!」ポロポロ 澪「律……」 澪「…大丈夫だよ、私がずっとそばにいてやるから」 律「ほんとう…?」ポロポロ 澪「当たり前だろ?私達親友なんだからさ」 律「うわああああん」ポロポロ 澪「よしよし…」 律を泣き止ます間私も泣いていたことなんて律は知らないだろう 何せあんなことを律が思っていたなんて知らなかったからな ――――25 00 私達は泣き止み今までの思い出を語り合っていた 律「今考えてみたらさー、本当に良かったと思ってる。軽音部に入って」 澪「私も」 律「ずっとずーっと演奏してたいな皆と」 澪「ああ」 私はまだ律に聞いていないことがあった 澪「なあ律…?」 律「ん?」 澪「そういやなんでこんな曇ってる日に星なんて見に来ようと思ったんだ?」 律「……」 澪「星なんてひとつも…」 律「……見えるよ」 澪「どこ?」 「目には見えないよ」 澪「?」 まさかそんな深い言葉をまさか律に言われるとは思わなかった でもその言葉の意味はいつか皆とやった花火の時にムギが言った言葉の意味に近いものがあったんだろう 律なんかでも未来への不安やそういう心が私の知らないうちに覚えていたかと思うとちょっぴりホッとした 私はふと律の顔を見ると律は目を閉じていた 澪「眠いのか?」 律「違うよ。星を眺めてるんだ」 澪「星を?」 律「こうやると見えるんだ」 そう言われ私も同じように目を閉じた タッタッタ 律『みーおー!』 澪『ん?』 律『軽音部入ろうぜー!』 思えば律のあの言葉から始まった私の物語 例えいつかこの物語が終わる日が来たとしても私は忘れることはないだろう 唯『澪ちゃん!』 ちょっぴり天然な平沢唯 紬『澪ちゃん』 お嬢様の琴吹紬 梓『澪先輩』 しっかり者の中野梓 律『澪!』 そして親友の律 目を閉じたら確かに見えた気がした 今まで見たことがない綺麗な星空が 目を開けると律が私の顔をじっと見ていた 律「見えた?」 澪「見えた……かも」 律「そっか…」 お互いどんな星が見えたかなんて聞きもしなかった なぜならそう、私も律もきっと同じ星空を見ていると思ったからだ ふと律の顔を見ると目があってドキッとした 律「………」 澪「………」 律・澪「あ、あのさ」 律・澪「!」 律「お前から言えよ!」 澪「いいよお前で!」 律「えと……じゃ、じゃあ……」 律「その……今日はありがとうな」 澪「………クス」 澪「あはははは!」 律「なっ……おい澪、こっちは真面目に言ってんだぞ!」 澪「あー、悪い悪い」 律「……で、澪は?」 澪「なーんか変な空気になったから言わない!」 律「卑怯な!」 実際私も律と同じことを言おうと思ってた これから先楽しいことだけじゃない、辛いこともあるだろう でも律と一緒なら…… ……一緒なら大丈夫。そんな気がした 3
https://w.atwiki.jp/hrlm/pages/169.html
いつでも < 前の話 アーカンでのお出かけの話とか。 このページを編集
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/9893.html
このページはこちらに移転しました いつかの日 作詞/391スレ143 傍らに眠る君の横顔を見ていた 空気に溶けてしまいそうな白い肌 平和を告げるように柔らかな吐息 僕は永遠を告げる鐘を何処かに探していた 窓の外から慰めてくる小鳥 柔らかに僕らを包み込む日光 安らかに眠る君の横で時の波が静まる いつの間にか 流され 溶け 消えてしまいそうな世界 僕は永遠を告げる鐘を何処かに探していた